CBR250RR(MC51)のエキパイ(エキゾーストパイプ)について

250ccクラスのスーパースポーツ(SS)として君臨するホンダ・CBR250RR(MC51)。純正状態でも完成度の高い一台ですが、「もっと鋭い吹け上がりが欲しい」「軽量化してハンドリングを向上させたい」と考えるなら、エキパイの交換は避けて通れない道です。

目次

1. エキパイ(エキゾーストパイプ)の役割とは?

エキパイは単なる「排気ガスの通り道」ではありません。エンジンの排気ポートから出た直後のガスを制御し、その「流速」や「圧力(脈動)」を利用してエンジンの出力を補助する重要な役割を担っています。

排気脈動の効果

排気ガスは波のように押し出されます。この波(脈動)を利用して、次の排気ガスを吸い出す「掃気効果」を高めることで、シリンダー内の充填効率が上がり、パワーアップに繋がります。MC51のような高回転型エンジンでは、このパイプの長さや太さの設計が、高回転域での伸びに直結するのです。


2. 純正エキパイの特徴と年式による違い

MC51には大きく分けて、初期〜中期型の「2BK-MC51」と、最新型の「8BK-MC51」が存在します。ここを理解していないと、パーツ選びで失敗する原因になります。

2BK-MC51(2017年〜2022年モデル)

この世代のエキパイは、環境規制に対応しつつもパワーを追求した設計です。

  • 構造: 2-into-1(2本のパイプが1本に合流する)形式。
  • 触媒(キャタライザー): パイプの途中に配置されており、ここで排気抵抗が生じています。
  • 素材: 基本的にステンレス(一部防錆塗装)ですが、重量はそれなりにあります。

8BK-MC51(2023年モデル〜)

最新の排ガス規制(令和2年規制)に適合させるため、エキパイ内部の構造が変更されました。

  • 触媒の大型化・配置変更: 規制をクリアするために触媒がより強化されています。
  • 互換性の注意点: 2BK用のフルエキが8BKに物理的に付くこともありますが、燃調が狂ったり、排ガス規制不適合(車検非対応相当)になるため、必ず専用品を選ぶ必要があります。

3. エキパイを交換するメリット

スリップオン(サイレンサーのみ交換)と違い、エキパイから交換する「フルエキ」には以下のメリットがあります。

① 圧倒的な軽量化

純正エキパイはコストと耐久性の観点から「鉄」や「厚手のステンレス」が使われています。これをアフターパーツの薄肉ステンレスやチタンに変更することで、数kg単位の軽量化が可能です。重心に近い部分の軽量化は、切り返しやブレーキング時の軽快さに直結します。


例:モリワキのチタンフルエキは純正(約8.4kg)から 約3.5kg と大幅な軽量化。
→ この点は事実として正確で、軽量化によってバネ下重量の低減や取り回し感の変化が期待できます。

② 全域でのパワー・トルク向上

純正は「音量規制」と「排ガス規制」を最優先していますが、社外エキパイは排気効率を最適化しています。特に中回転域のトルクの谷を解消し、レブリミットまでストレスなく回るエンジン特性へと変化させることができます。ただし 必ずすべての社外マフラーで劇的にパワーが上がるとは限りません。エキパイとマフラーの組み合わせが重要になります。

③ チタン特有の「焼き色」と所有感

チタン製エキパイを選んだ場合、走行するうちに熱で青紫色の鮮やかな「焼き色」がつきます。カウルの隙間から覗く美しいパイプは、SSであるCBR250RRの所有感を最高に高めてくれます。


4. 素材による違い:ステンレス vs チタン

エキパイ選びで最も悩むのが素材です。それぞれの特性を理解しましょう。

ステンレス鋼 (SUS304等)

  • メリット: 耐久性が高く、錆に強い。チタンに比べて安価。
  • デメリット: チタンよりは重い。熱が入ると茶色っぽく変色する。
  • こんな人に: コスパを重視しつつ、性能アップを狙いたい街乗り・ツーリングメインのライダー。

チタン合金

  • メリット: 驚異的な軽さ。熱伝導が良く冷めやすい。美しい焼き色。
  • デメリット: 非常に高価。振動や衝撃でクラック(亀裂)が入りやすい繊細さがある。
  • こんな人に: サーキット走行を視野に入れている、あるいはカスタムのルックスに妥協したくないこだわり派。

5. MC51用おすすめエキパイブランド

MC51は人気車種ゆえに、国内外のトップメーカーがエキパイをリリースしています。

ヨシムラ (YOSHIMURA)

言わずと知れた日本の名門。MC51用「R-77S」や「R-11」シリーズのフルエキは、低回転を犠牲にせず高回転まで綺麗に回る、非常に精度の高い設計が特徴です。

OVER Racing (オーヴァーレーシング)

アルミ削り出しパーツでも有名ですが、マフラーの美しさも天下一品。特にチタンパイプの曲げの美しさと、レーシーなサウンドに定評があります。

TRICK STAR (トリックスター)

「IKAZUCHI(イカヅチ)」ブランドで世界的に有名。最高速アタックなどで培ったノウハウを投入しており、高回転での突き抜け感と官能的なサウンドを求めるならここ一択です。

アクラポヴィッチ (AKRAPOVIČ)

MotoGP直系の技術。非常に軽量で、レーシングなルックスが魅力です。※公道走行不可(レース専用)モデルが多いので注意。


6. 取付とメンテナンスの注意点

エキパイの交換はDIYでも可能ですが、いくつか注意すべきポイントがあります。

① エキゾーストガスケットは必ず新品に

エキパイとエンジンの間にあるガスケットは「潰れることで密閉する」消耗品です。再利用すると排気漏れの原因になり、最悪の場合エンジン出力が低下したり、異音が発生します。MC51専用のガスケットを必ず用意しましょう。

② 締め付けトルクを守る

スタッドボルトのナットは、エンジンヘッドという非常にデリケートな部分に付いています。

  • 規定トルク:約18〜22 N·m(年式・箇所により微差あり) オーバートルクで締めると、ボルトが折れてエンジンを下ろす羽目になるため、トルクレンチの使用は必須です。正規品の社外エキパイの取扱説明書に記載されていることが多いため、その規定トルクに合わせて締めるようにしてください。

③ 脱脂を忘れない

取付後、エンジンをかける前にパーツクリーナーでパイプ表面の指紋や油分を完全に拭き取ってください。油分がついたまま熱が入ると、その跡が「一生消えない焼きムラ」として残ってしまいます。


7. 法律と車検(JMCA認定)について

CBR250RR(MC51)は250ccのため車検はありませんが、法律(道路運送車両法)には適合していなければなりません。

  • 公道走行には「JMCA認定品」: 公的機関の騒音・排ガス試験をクリアした証明であるJMCAプレートが付いたマフラーを選びましょう。JMCA認定品のマフラーを付けていたとしてもエキパイが公道走行可能でない場合、法律に触れる可能性が高いので気を付けてください。
  • バッフルについて: これが結構重要で最近の規制では、簡単に取り外せるバッフルは認められていません。溶接固定されているものが主流です。

まとめ:エキパイ交換でMC51を「本物」へ

CBR250RR(MC51)のエキパイ交換は、単なるパーツ交換以上の感動をライダーに与えてくれます。軽量化によるハンドリングの変化、高回転域での官能的なサウンド、そして美しい輝き。

自分のMC51が「2BK」なのか「8BK」なのかをしっかり確認し、用途に合った素材と信頼できるメーカーのエキパイを選ぶことで、あなたのバイクライフはより一層刺激的なものになるでしょう。

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この記事を書いた人

CBR250RRオーナーの紙助です。
はじめてCBR250RRにまたがった瞬間
その鋭いレスポンスとエンジン音に心を奪われました。
週末は庭でメンテをしたりツーリングに行ったりと
CBR250RRと過ごす時間が何よりの楽しみです。

このサイトでは、実際に自分で試したカスタムや整備のリアルな情報をお届けします。CBR250RR好きの方の参考になれば嬉しいです。

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